おとなの食育 NO.24

「腸内細菌」と「免疫」増強食

 

「自然との共生」で生きている

今回の地球規模の感染禍に対し、日本が欧米に比べ桁違いに抑止できた理由として、衛生観念と民度の高さ、静かな自粛など「日本モデル」が注目されています。マスク・手洗い、握手・ハグなどない生活習慣、はては破裂音が少なく飛沫感染を防ぐ言語説まで飛び交った。再流行を警戒しつつ徐々に経済活動も再開し、根本的な原因はいずれ検証されるでしょうが、何よりヒトの「免疫力」に拠ることは明白で、それは国内死者の8割が「70歳以上」というデータからも読み取れます。
 老化に伴い免疫力も低下しますが、着目したいのはコメを粒食する東アジアの食文化圏で感染が低いこと。さらに味噌、醤油、漬物、納豆など発酵食品を常食する。つまり人体最大の免疫機構が腸管免疫であり、腸内細菌との共存関係で成立しているのです。ヒトを宿主とする菌類はおよそ100種、数は100兆個で、その一つ一つにも微生物が棲みつき総数は1,000兆個。「腸内細菌は臓器のひとつ」ともいわれ、ヒトが生きていくのに欠かせないもの。同時にヒトはこの地球を宿主とし、「自然との共生」で生きていることを忘れてはなりません。自然破壊は生物多様性を壊し、人体も傷つけるのに等しいのです。

 

「腸内共生菌」にもっと愛情を

人体に備わった「自然治癒力」とは、細胞の代謝で傷口を治す「自己修復力」、体内のさまざまな機能を統合して一定の秩序に保つ「ホメオスタシス」(生体恒常性)、病原微生物やウイルスなど異物を排除する「自己防衛力」(免疫力)の3つの機能をいいます。特に「免疫の恒常性」が健康のバロメーターとされ重要な役割を担っています。
 免疫力を高め、感染症への抵抗力を養う上でも、腸内細菌のエサとなる植物性食品や発酵食品を毎日摂り、腸内環境を豊かに育むことを強く意識したいもの。梅干もおススメですが、「マゴコワヤサシイ」が簡単でわかりやすい。順にマメ、ゴマ、コメ、ワカメ(海藻類)、ヤサイ、サカナ、シイタケ(キノコ類)、イモ。それと、納豆、漬物、ヨーグルトなど発酵食品の乳酸菌。世界文化遺産にもなった和食はいまこそ、免疫力との関連で改めて脚光を浴びてもいいはずです。

文責〉コピーライター 小山寅哉

腸内細菌は種類や数が多いほど免疫力が高まって、ガンやアレルギー、感染症のバリアに。旬の新鮮野菜と「マゴコワヤサシイ」快食で、腸内共生菌をどんどん増やして快便に!さらに適度の運動と快眠・快笑も心掛ければ怖いもの無し!!