〔4月下旬〕きぬむすめ 硬化苗
本日は、能勢町平野にあるビニールハウスへやってきました。前回勉強した「緑化苗」ではなく「硬化苗」を作る工程を見ていきましょう。出芽室って覚えていますか?2日間高温加湿の部屋で出芽を促す部屋です。その後「緑化苗」は緑化室で5日間育てられ農家さんのもとへ届けられますが、「硬化苗」はどうでしょう。
① 苗箱をビニールハウスへ運び込みます。
まず、出芽室でしっかり発芽した苗箱を、ビニールハウスの中へ運び込みます。まだ白く弱々しい感じがします。
② 苗箱を並べます。
きれいに並べ終わったら、たっぷり水を与えます。
③ 上から白いシートをかぶせます。
その後、上から白いシートをかぶせていきます。このシートは健苗シートと言い、この状態で約10日間置きます。
質問① 日光が当たらなくても苗は成長できるの?
シートを被せてしまったら日光が当たらないじゃないかと思われるでしょうが、完全な遮光ではありません。まだ弱い苗に、強い光を直接当ててしまうと日焼けしてしまいますので、徐々に緑化させていくわけです。他にも、夜間の保温の役割などもあります。
質問② シートをめくらないといけないから、水やりが大変そう。
実はこの10日間水やりの必要はありません。前回苗箱に敷いた土(宇部培土)の保水力と、健苗シートによって水分の蒸発を防ぐためです。
④ 出荷の工夫。
出荷日から逆算して、この工程を時間差をつけて行っていきます。
⑤気になる健苗シートの中。
特別に健苗シートを被せて約1週間の苗を見せてもらいました。若々しい緑と驚くくらいの柔らかさです。
⑥ 硬化苗へ
10日経ち健苗シートを外したら、今までぬくぬく暖かいところで育った苗は突然の外気にさらされます。このままではいけないと、苗は根を張り、葉を硬く丈夫にしていきます。これが「硬化苗」です。
こうして、健苗シートを外し農家さんに届けられるまでJAで管理し、いつでも田植が出来る状態まで成長させます。日中の気温も上がり、耕起や畔塗りなど田んぼの準備も整ってきました。次回は田んぼに水を入れ、田植の準備を行う「代かき」の作業です。